【奈良国立博物館 第73回 正倉院展】色鮮やかな宝物の数々(奈良市)

ミュージアム

奈良の秋の風物詩、正倉院展が今年も開催しました。今年で73回目を迎える正倉院展は、奈良市の世界遺産・東大寺の近くにある宝庫「正倉院」で保管されている宝物を展示しています。

正倉院の宝物は、聖武天皇が756年(天平勝宝8年)に亡くなった後、お妃の光明皇后が「天皇が大切にされていた品々を東大寺の大仏に捧げよう」と、納めたのが始まりです。その後、東大寺の儀式で使われていた品々なども加わり、現在は約9000件が保管されています。

天皇や貴族の生活用具や楽器、衣装、武器、薬、文書などバラエティーに富んでいます。国産のものだけではなく、中国や朝鮮半島、西アジアなど、外国から選ばれてきた品物もあります。
古代の品々は現代でも沢山残っていますが、ほとんどが地中から発掘された出土品です。正倉院宝物のように、倉に納められて1200年以上にわたって伝わった例は世界中でもほとんどありません。

今回の展示会では、このうち55件が出展されています。
正倉院の歴史や長い間保存できた秘密を学び、古代の宝物の魅力に触れられる機会です。

今年の正倉院展は昨年に引き続き、新型コロナウイルス対策として、会場内外の密集を避けるため、事前予約の日時指定入場制となっています。チケットは全て前売りの日時指定券で枚数に限りがあり、当日券の販売はありませんでした。

多数の購入者がいるなか、なんとか狭き門をくぐり抜け、運良くチケットを購入できたので、行ってきました。
指定入場制でしたが、思った以上に沢山の人が来場していました。とはいえ、例年よりも蜜状態ではなく、少しゆとりがありました。

今回の正倉院展では、書道や音楽、舞踊など、今の生活に身近なお稽古事に関連する宝物が沢山出展されています。

今回の主な見所をご紹介します。

漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)

法要で仏様に供えてお香を炊くための台です。蓮を型どっていて、32枚ある蓮の花びらは木製です。花や鳥、極楽浄土にいるとされる想像上の生き物、迦陵頻伽がりょうびんがなどが、赤や緑、紫、金などの鮮やかな色で描かれています。

螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)

丸い形をした平らな胴に長いさおがついた四弦の弦楽器です。薄く切った貝殻を使った細工を「螺鈿らでん」といい、その技法で胴の背面に、花や鳥の絵を表現しています。中国普時代の「竹林七賢ちくりんのしちけん」の一人、阮咸げんかんという人がこの楽器を愛用したので、その名で呼ばれるようになりました。

刻彫尺八(こくちょうのしゃくはち)

管楽器の一種、尺八は正倉院には八つ伝わっています。今回出展されているのはその中でも、43.7cmと最も長い尺八です。表面には人物や花などの細かい文様が施されています。指で押さえる穴は、前に五つ、後ろに一つ開いています。

女舞の接腰(おんなまいのせつよう)

袴の上から履いて脚を覆う用具です。もとは騎馬民族が馬に乗る時、脚さばきをよくするために着用した衣装としたものですが、その後、舞楽の衣装として使われるようになりました。

笛吹襪(ふえふきのしとうず)

笛吹き役の人が履いた靴下です。足首のひもでくくって、とめたようです。

白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)

高坏たかつきは食べ物を盛るのに用いたきゃくのついた器です。透明で黄色味を帯びたガラスでできています。坏と脚の部分は別々に作られ、後にくっつけたと思われます。他の正倉院のガラス製品に比べて気泡が多く、中国か日本製と考えられてきましたが、最近では制作には高度な技術が必要で、中東か地中海東岸で作られたとの説が有力です。

青斑石硯(せいはんせきのすずり)

正倉院に伝わっているただ一つのすずりです。陶製の硯本体を、青斑石と呼ばれる石でできた六角形の台にはめ込み、飾りのついた木製の台に据え付けています。

筆(ふで)

筆には動物の毛が使用され、管は斑竹はんちくという高級な天然の模様がついた竹を用いたものがあります。

墨(すみ)

墨の中には、中国の唐で716年(開元かいげん4年)に製作されたとわかっているものも出展されています。

多くの貴重な宝物を見ることができ、非常に有意義な時間でした。約1300年前の宝物が、今も綺麗に保存されてきたので、長い年月の中、多くの人々が大切に管理されてきたことに感服しました。

奈良国立博物館新館裏にある八窓庵が紅葉が色づき、凄く趣のある風景でした。

トップページ|正倉院展
奈良国立博物館で令和3年(2021)10月30日(土)~11月15日(月)に開催される、第73回正倉院展の公式サイトです。開催概要、チケット情報、展示の見どころ、出陳宝物などを紹介します。

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